第2夜「モモ ミヒャエル・エンデ」

モモは、僕のフレームから外にある存在だった。それは古典とは言えない海外の児童書だったことが大きい。日本文学であれば、大人になって触れる機会はあったろうし、日本の子供向けの話で定番なものは、いつしか記憶に残るものだからだ。当時古典とは言えない海外の子供向けの話は、そのタイミングで出会わなければ、恐らく出会える機会はない。

「モモ」の映画は有名であった。僕も映画のかなり漠然としたイメージはある。だけど本当は一度も観たこともなかった。それで、「モモ」というのは名前だけ知ってはいるが僕からずっと外れた気になる存在だった。

「モモ」を読むにあたって、邪道かもしれないが、まず映画を見た。そして、朗読を聴きながら本を読んだ。『町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気持ちになるのでした。そこへ「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります。』

この本は児童向けだけど、大人がいつ読んでもいい話だった。人生で足を止めてちょっと考える機会になるかも。そして、物事の本質を見誤らないようにしないといけないと改めて思わせられる作品。

僕のイメージどおりの内容で、意外性もなくそのままの期待通りでした。これで、「モモ」も僕のフレーム内に入ってしまいました。

 

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