第2部は、母の死から中学に入学して朝倉先生に出合い次郎が変化してきたところまで。第一部は親向けの教育書として書かれたらしい。第2部の朝倉先生のモデルは下村湖人氏そのものということである。朝倉先生との出会いで変貌する次郎は、作家の青年の理想像であろうと思う。私も恩師から、学校に進学したら3つの出会いを果たすようにと言われたことを思い出した。「学問との出会い」「良き友人との出会い」「良き師」との出会い。2部の後半は、いかにもそれが強く出すぎていて、ちょっと抵抗も感じた。3部以降あまり、押しつけ感が強くなれば嫌だなあと感じる。それでも十分楽しめる。
中学の頃読んだが旧制中学の位置づけがわからず読み方も浅かったかもしれないと思う。
★★★★