第16夜「一人称単数 村上春樹」

ノーベル文学賞でいつも村上春樹氏を応援しているが、毎回残念な結果になっている。僕にとっては話題性が選考していて熱烈なファンがあるようだけど、作品と僕の波長は合わないみたいだ。今回の本は短編集ということで気軽に読めるだろう。

ビートルズのLPを抱えて高校の廊下を歩いていた少女。同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、今も記憶にあるいくつかの短歌。ひなびた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映した時の違和感。そこで何が起こり何が起こらなかったのか。驚きと謎を秘めた8扁。(文春文庫)

1年たって手に取るとだいぶ忘れていて、もう一回読んでも楽しめそうに思う。8編の中では品川猿の告白が妙に心に残った。

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