第49夜「次郎物語第一部」下村湖人

「路傍の石」を読んでいたら、「次郎物語」が読みたくなった。これらは教養小説とよばれていることを初めて知った。教養小説とは、主人公がさまざまな体験を通して内面的に成長していく過程を描く小説のことをいうらしい。これら2冊はその代表作品のよう。1部から5部まで分かれているが、今回は新潮文庫を選び上中下巻の3冊を読むことに。

第一部は、出生から母の死まで。中学の頃読んではいたが、すっかり忘れ去られていた。里子に出された次郎を取り巻く複雑な人間関係は、田舎の親戚の多い家では結構理解できる話ではないだろうか、私の場合は、父の実家を思い出しつつ読み進んだ。自分の小さい頃の思い出などとうの昔に忘れ去られているものだが、読んでいるといろいろ思い出してくるところがあり。面白い。

中学時代に読んでいてよかったと思う。私の記憶では2度読んだつもりであったが、ひょっとすると1回だけかもしれない。中学の時は河出書房グリーン版日本文学全集で読んだ。けっこう読みごたえがあったのを覚えている。

★★★★★

 

 

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