山川方夫を読みだした。「待っている女」「恐怖の正体」「博士の目」「赤い手帳」「蒐集」と読んでいき、当初思っていた山川方夫のイメージがだいぶ変わった。と、いうのは「夏の葬列」は中学2年3年の国語の教科書に掲載されているということからまじめな作品だけだと思っていたのだ。意外に性的なものも扱っているように思えた。
「夏の葬列」は戦争の影のようなもので、教科書中で鬱展開すると言われている作品でもある。結構厳しいものがあるが、戦争を離れてみても誰しも子供の頃や若いころの忘れたい思い出はたくさんあるのではないか?大人になるってことはそういう嫌な思い出が増えてそれでも生きていかなければならないものだと思ったこともある。
そして又思う。若いがゆえに、今なお心の傷になるのであって、さらに年を重ねるとその感性も鈍くなっていくものである。
★★★★★