第55夜「不如帰」徳富蘆花

徳富蘆花の「思出の記」を読もうと思ったが絶版であり、しかたないので徳富蘆花の代表作「不如帰」を読むことにした。表紙の絵は黒田清輝とある。明治期に一番のベストセラーと言われているだけのことはあると思う。結核と日清戦争、家制度などが今日ではわかりづらいことはあると思うが、明治期の雰囲気を十分感じることができた。今では離婚なんぞ3組に1組あると言われ、離婚してもバツイチとして市民権を得ているようにも思える。だから浪さんの妻のままで死にたいという気持ちは伝わりづらいだろう。

徳富蘆花は同志社大学にいたが、不自然に感じるようにキリスト教徒の話を挟んできたあたり、その影響があったのではと思う。

★★★

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