学生の頃に読んだが、もう一度読みたくなった。有名な冒頭の出だしと、駒子という名前と火事の話だけ覚えていて、ほかはすっかり忘れてしまっていたからである。
『新緑の山あいの温泉で、島村は駒子という美しい娘に出会う。駒子の肌は陶器のように白く、唇はなめらかで、三味線が上手だった。その年の暮れ、彼女に再び会うために、島村は汽車へと乗り込む。すると同じ車両にいた葉子という娘が気にかかり。葉子と駒子の間には、あるつながりが隠されていたのだ。徹底した状況描写で日本的な「美」を結晶化させた世界的名作。ノーベル文学賞対象作品。』(新潮文庫)
1968年にノーベル賞を受賞したが、話の内容は、僕にとって不快に感じる部分も。今の時代では受け入れられないだろう。この頃もそして今も、日本と言えば「サケ」「ゲイシャ」のままなんだろう。それが日本の美と言えばそういう人も多いだろうが、個人的には悲しく、嫌悪感がある作品。と言いながらも。ちょうど読んだ後だったので、昨年の長岡の花火大会の後に、足を延ばして塩沢紬記念館に行ってきたりした。