中学受験の国語の問題に吾一少年が出てきて、塾の先生が路傍の石の話をした記憶がある。そんなに頻繁に出てきたものではなくて多分路傍の石の吾一少年の問題に出会ったのは2回程度だと思うが、「路傍の石」「吾一」の言葉が強烈で、なんだか小学生の私にとっては立ちはだかる巨人のように思えて心に残り続けた。
それから40年以上経過した今、読んだわけだが、何をそんなに恐れていたのだろう?朝日新聞の連載ではないか?しかも未完であり、これからの成長が楽しみというところで終わっている。ちょっと拍子抜けもしたが、とにかく読了したことで巨人に勝ったような一人で満足しきっている自分がいる。でも、本音いうともっと早く読んでおけば影におびえることもなかったと思う。そして、不思議なもので、下村湖人の「次郎物語」を久しぶりに読みたくなった。
★★★★★