第52夜「次郎物語第四部」下村湖人

朝倉先生の退任と次郎の諭旨退学をめぐる20日程度の騒動。下村湖人氏は、戦争に向かっていく時代にあたって、どうすればそれを避けることができるのかを戦後に次郎物語を書いて今後の世の戒めにしたかったのではないかと思う。朝倉先生の白鳥会は、僕の若かりし時代の松下政経塾の小島直記先生の「伝記に学ぶ人物研究」を彷彿とさせた。小島先生からも配属将校に対する不満と言論弾圧に対する抵抗の話を聴いた。また、小島先生から将来の日本に対して、僕たちへの期待を感じるが、実際は先輩後輩を含め皆うまくいってない。つまらない政治家にもたくさんなっていると思う。非常に残念である。だめな政治家にならなかったことが皮肉なことにむしろ僕の誇りでもある。さて、次郎物語も次の5部で終わり。未完の作になっている。

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