遠藤周作氏の「沈黙」の朗読を聴いて、同氏のほかの作品を読みたくなった。「沈黙」、「海と毒薬」は学生の頃読んでいた。また狐狸庵先生シリーズが家にあったので数冊読んでいた。遠藤周作氏は、コーヒーのCMでも有名であったがどちらかと言えば親しみある大衆的なイメージがしていた。学校の文学史の話して遠藤周作氏の名前が出てきたとき、教室でどよめきが起こったのを覚えている。
『愛だけを語り、愛だけに生き、十字架上でみじめに死んでいったイエス。だが彼は、死後、弱き弟子たちを信念の使徒に変え、人々から神の子、救い主と呼ばれ始める。なぜか?無力に死んだイエスがキリストとして生き始める足跡を追いかけ、残された人々の心の痕跡をさぐり、人間の魂の深奥のドラマを明らかにする。』(新潮文庫)
これまでイエスの現実的な人物像の話を聞いたことがなかったので、かなり勉強になった。いろんな疑問がほぼ解消されたし、完全に解消されないものでも合理的と思える理由を得ることができた。僕にとっては、ためになる本だった。