第66夜「極楽」菊池寛

文章を味わうより皮肉な極楽の妙を感じる作品だろう。はじめ、菊池寛氏の死生観における死後に極楽浄土へと向かう道のりを記したものかと思って読み進んだが、退屈な極楽の世界で終わってしまった。星新一氏のショートショートで語られる作品でもいいだろう。ところで、極楽の世界が退屈であるとしたら、よく言われる話。神は退屈なため、この世を作ったいうのに同意できる。輪廻転生を刑務所の様にとらえることもできるが、むしろ輪廻転生があった方が愉しいとも思える。

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