田山花袋の写真での風貌、彼の作品の「田舎教師」や「蒲団」のタイトルからから勝手に田舎のホンワカしつつの温かい物語だろうと高校の頃から思っていた。ところが、それは全くの思い違いだった。立身出世をいろいろ検討しているが結局成果がでず、考えを変えて親孝行と友人を大切に生きていこうという矢先、肺病で死んでしまう青年の話。淡々と物語が進んでいく。盛り上がりもなくただ田舎の描写が心に残る。どんな作品か知っただけで価値がある。
一人の人生のスケッチ。★★★