高校の時、現代文学史のテキストに出てきていた久米正雄の「牛乳屋の兄弟」タイトルだけ覚えていたが、最近過去のそういった記憶の回収作業をしているところから、amazonでいろいろ検索してみたが、なんと絶版で手に入らない。40年前まではテキストの黒字になるようなものがと驚いたが仕方ない。
いろいろ探していると「受験生の手記」が久米正雄氏の代表作らしい。それで、久米正雄作品集を買ってみた。読んで初めて大正時代を代表する人で芥川龍之介、菊池寛らと交流深く、漱石の娘に振られて、文学仲間の親友に取られてしまい、それを「破船」で心境を綴ったというのを知った。また、大正12年の震災時の話も興味深かった。このころの東大生は今の時代以上に人生を謳歌していたのがわかるしその中でも久米正雄は社交界で目立った人物であったというのも知った。そうした人生を鳥渡うらやましく思う。
父の死 手品師 競漕 流行火事 受験生の手記 金魚 桟道 他随筆 短歌
★★★