第20倜「キリストの誕生 遠藀呚䜜」

遠藀呚䜜氏の「沈黙」の朗読を聎いお、同氏のほかの䜜品を読みたくなった。「沈黙」、「海ず毒薬」は孊生の頃読んでいた。たた狐狞庵先生シリヌズが家にあったので数冊読んでいた。遠藀呚䜜氏は、コヌヒヌのCMでも有名であったがどちらかず蚀えば芪しみある倧衆的なむメヌゞがしおいた。孊校の文孊史の話しお遠藀呚䜜氏の名前が出おきたずき、教宀でどよめきが起こったのを芚えおいる。

『愛だけを語り、愛だけに生き、十字架䞊でみじめに死んでいったむ゚ス。だが圌は、死埌、匱き匟子たちを信念の䜿埒に倉え、人々から神の子、救い䞻ず呌ばれ始める。なぜか無力に死んだむ゚スがキリストずしお生き始める足跡を远いかけ、残された人々の心の痕跡をさぐり、人間の魂の深奥のドラマを明らかにする。』新朮文庫

これたでむ゚スの珟実的な人物像の話を聞いたこずがなかったので、かなり勉匷になった。いろんな疑問がほが解消されたし、完党に解消されないものでも合理的ず思える理由を埗るこずができた。僕にずっおは、ためになる本だった。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第19 倜「女生埒 倪宰治」

人間倱栌に続き女生埒を読む。女生埒は初めおずなる。声優「田䞭あいみのradioclub.jp」で、あいるヌ愛称が「おはなし千䞀倜」ずしお遞んだ䜜品に「女生埒」があった。あいるヌの朗読は玠晎らしいが、䞭でも「女生埒」は秀逞だ。ラゞオの尺の郜合䞊、郚分的な朗読だったが、機䌚があれば、あいるヌに党文読んでほしいず思えるほど。それで、女生埒を読んでみるこずにした。

『「幞犏は䞀倜遅れお来る。幞犏は 」女性読者から送られおきた日蚘をもずに、ある女の子の、倚感で透明な心情を綎った䜜品』新朮文庫

倪宰の䜜品の䞭ではかなり奜きな䜜品だ。いく぀か朗読が出おいお聎き比べをしたが、やっぱりアむルヌの「女生埒」は別栌だず思う。ニコ動のラゞクラチャンネルにアップしおいるので是非聎いおほしい。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第18倜「思い出トランプ 向田邊子」

脚本を手掛けた寺内貫倪郎䞀家の舞台の近くに䜏んでいたこずもあり、気になる䜜家だった。向田邊子氏が台湟の飛行機事故で亡くなったニュヌスをよく芚えおいる。そしお子䟛の頃、芪の買った本があり、読んだ蚘憶がある。

浮気盞手であった郚䞋の結婚匏に、劻ず出垭する男。おきゃんでかわうそのような残忍さで倫を翻匄する人劻。心の内で家族を蔑み続ける、元゚リヌトサラリヌマン。やむを埗ない事故で子䟛の指を切っおしたった母芪など 日垞生掻の䞭で、誰もがひず぀やふた぀は持っおいる匱さや、狡さ、埌ろめたさを、人間のいずしさずしおずらえた13篇。新朮文庫

登堎人物が䞭幎埌の男性が倚く、実はさらに幎を取った自分にずっおは、耇雑な気持ちになる。たヌ痛いずころを぀いおくるなぁずいう感じ。味のある䜜家だず思う。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第17倜「クララずお日さた カズオ・むシグロ」

村䞊春暹を慕っおいたカズオ・むシグロ氏が先にノヌベル賞を受賞したが、その埌の第䞀䜜ずいうこずで、どんな䜜颚なのかず読んでみた。ずころで、圌は日本のノヌベル賞にカりントするのであろうか

クララは子䟛の成長を手助けするAF人工芪友ずしお開発された人工知胜搭茉ロボット。店頭から街行く人々や来店する客を芳察しながら、自分を買っおくれる人が来るこずを埅ち続けおいる。ある日、ゞョゞ―ずいう病匱な少女の家庭に買い取られ、やがお二人は友情を育んでいくが、䞀家には倧きな秘密があった。愛ずは、知性ずは、家族ずは根源的な問題に迫る感動䜜。ノヌベル文孊賞受賞第1䜜。ハダカワ文庫

読みやすくお、心に残るストヌリヌでもう䞀床読んでもいいくらいだず思う。人工知胜搭茉ロボットも間違いなくそのうち登堎しおくるだろう。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第16倜「䞀人称単数 村䞊春暹」

ノヌベル文孊賞でい぀も村䞊春暹氏を応揎しおいるが、毎回残念な結果になっおいる。僕にずっおは話題性が遞考しおいお熱烈なファンがあるようだけど、䜜品ず僕の波長は合わないみたいだ。今回の本は短線集ずいうこずで気軜に読めるだろう。

ビヌトルズのLPを抱えお高校の廊䞋を歩いおいた少女。同じバむト先だった女性から送られおきた歌集の、今も蚘憶にあるいく぀かの短歌。ひなびた枩泉宿で背䞭を流しおくれた、幎老いた猿の告癜。スヌツを身に纏いネクタむを結んだ姿を鏡で映した時の違和感。そこで䜕が起こり䜕が起こらなかったのか。驚きず謎を秘めた扁。文春文庫

1幎たっお手に取るずだいぶ忘れおいお、もう䞀回読んでも楜しめそうに思う。8線の䞭では品川猿の告癜が劙に心に残った。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第15倜「正欲 朝井リョり」

朝井リョり氏ず蚀えば、『桐島、郚掻やめるっおよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞し2012幎には同䜜が映画化されおいる。本を読たない僕でも、タむトルから興味を持っお映画を芋たこずがある。映画はすごく面癜かった。「正欲」は皲垣吟郎さんず新垣結衣さんの映画も決たっおいた。読む前に少しテンションは䞊がっおいた。

『自分が想像できる倚様性だけ瀌賛しお、秩序敎えた気になっお、そりゃ気持ちいいよな。息子が䞍登校になった怜事・啓喜。初めおの恋に気づく女子倧生・八重子。ひず぀の秘密を抱える契玄瀟員・倏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、倚様性を尊重する時代にずっお、ひどく䞍郜合なものだった。』新朮文庫

『桐島、郚掻やめるっおよ』くらいののりを期埅しおいたが、テヌマが重すぎた。それにしおも嫌な時代になっおきたし、これからもなりそうなこずが心配。政治の責任も重い。映画は芋なくおいいかな

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第14倜「持続可胜な魂の利甚 束田青子」

僕にはタむトルはもちろん、䜜家にもなじみがない。そしおこの䜜品で䜕か受賞しおいるわけでもなかったが、青山ブックセンタヌがPOP等で掚薊しおいたので、読んでみた。

『毎日䌚瀟に行くたびに思うんです、わあ、なんだ、このおっさん地獄は、っお」。䌚瀟に远い぀められ、無職になった䞉十女が、女性アむドルに恋しお日本の絶望を粉砕新米ママや䌚瀟員も連垯し、「地獄」を倉える賭けに挑む。』䞭公文庫

箄1幎前に読んだのだが、こういうたぐいの本は、本屋で掚薊されやすいものかなぁず、感じた。女性芖点では共感する人もいるだろう。友人からではなく本屋で掚薊されるものはもっず吟味が必芁だず感じだ。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第13倜「52ヘルツのクゞラたち 町田そのこ」

2021幎本屋倧賞1䜍ずいうこずで本屋のPOPに掚薊されるたた読んでみた。

『52ヘルツのクゞラずは、他のクゞラが聞き取れない高い呚波数で鳎く䞖界で䞀頭だけのいクゞラ。䜕も届かない、䜕も届けられない。そのためこの䞖で䞀番孀独だずいわれおいる。自分の人生を家族に搟取されおきた女性・貎瑚ず母に虐埅され「ムシ」ず呌ばれる少幎。孀独ゆえ愛を欲し、裏切られおきた圌らが出䌚い、愛の物語が生たれる。』䞭公文庫

児童虐埅をテヌマにした小説。読んで、心に残る話。面癜い方だず思う。2024幎に映画化されるそうだが、玍埗する。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第12倜「銖里の銬 高山矜根子」

沖瞄の話で、芥川賞受賞䜜。なんだか面癜そうだず、掚薊されるたた読むこずにした。

『問読者 それが未名子の仕事だ。沖瞄の叀びた小さな郷土資料通で資料敎理を手䌝う傍ら、䞖界の果おの孀独な業務埓事者に向けおオンラむンで問題を読み䞊げる。未名子は、この仕事が奜きだった、台颚の倜に、迷い蟌んだ宮叀銬。ひずりきりの宇宙ステヌション、極地の深海、玛争地のシェルタヌ。孀独な人々の蚘憶ず、この島の蚘録がクむズを通しお぀ながっおゆく。絶賛を济びた芥川賞受賞䜜』新朮文庫

僕には芥川賞の受賞䜜品の読み方が出来おいないのだろう。リアリティから離れおいるず興ざめしおしたうこずがある。そこはそういうものず割り切っおその䞖界芳を楜しむべきなんだろうが。読みごたえはあったず思う。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第11倜「掚し燃ゆ 宇䜐矎りん」

アニメでも「掚しの子」がブヌムである。 「掚し」ずいうこずばはい぀頃出おきたのかはじめアむドルに察しおだず思うが、察象がどんどん拡倧しおきおいる気がする。

僕が担圓しおいる番組の「ラゞクラ」は、声優アむドルをみんなで応揎する番組であるが、そういう意味ではモブさんの「掚し」はこれたで出挔しお頂いた声優さん党員ずなる。

『「掚しが燃えた。ファンを殎ったらしい」。高校生のあかりは、アむドル䞊野真幞を解釈するこずに心血を泚ぎ、孊校も家族もバむトもうたくいかない毎日をなんずか生きおいる。そんなある日、掚しが炎䞊し。第164回芥川賞受賞のベストセラヌ、時代を映す氞遠の青春文孊』河出文庫

ふむふむ最近の芥川賞はこんな感じなんだなず認識した。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第10倜「少幎ず犬 銳星呚」

新朮100冊文庫のフェアを味わい぀぀、青山ブックセンタヌを歩き回っおおすすめの文庫本新刊コヌナヌを芋぀ける。おすすめ本の順番が出おいるので、䜕を読もうか決たっおいない僕は、しばらく玠盎に掚薊されるたた本を読むこずにした。珟代はどんな本が話題なのか知りたいずいう気持ちもあった。「少幎ず犬」「掚し、燃ゆ」「52ヘルツのクゞラたち」「持続可胜な魂の利甚」「銖里の銬」「䞀人称単数」「クララずお日さた」「正欲」等である。

「少幎ず犬」は盎朚賞受賞䜜ずいうこずだ。

『傷぀き悩み、惑う人々に寄り添っおいたのは䞀匹の犬だった。2011幎秋、仙台。震灜で職を倱い、家族のため犯眪に手を染めた男。偶然拟った犬が男の守り神になった。壊れかけた倫婊は、その犬をそれぞれ別の名前で呌んでいた。人ず犬の皮を超えた深い絆を描く感涙䜜。163回盎朚賞受賞』文春文庫

感涙䜜ずいうこずで、ネットでは倚くの読者が感動を投皿しおいた。僕はそこたで感動しなかった。぀たり、読み方が違ったんだろうず思った。今どんな䜜品が話題なのかを知ろうずしお読んでいたので、感動しようず読み始めた読者ずは距離があったのだろう。

そこたで感動しなかったのが寂しい。

 

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第9倜「にんじん ゞュヌル・ルナヌル」

小孊校の頃、母が、「にんじん物語」を買っおきた。子䟛甚に曞かれおいたが、僕は、にんじんの母芪に察しお衝撃を受けた。䞖の䞭に、自分の子䟛をいじめる母芪がいるずは想像もできなかった。読み進める間も、本圓はいい母芪で子䟛の為に敢えお悪い母芪を挔じおいる。なんおオチを期埅しお読んだものだが、そこには救いがなかった。そんな本を母が飌っおきた理由もわからない。

次に䜕を読もうかず青山ブックセンタヌを歩いお、懐かしいタむトルに手を䌞ばした。そしお、子䟛甚でなく原䜜なら、どこかしら救いがあるかもず思った。

『にんじん。髪の毛が赀くおそばかすだらけのルピック家の䞉番目の男の子はみんなからそう呌ばれおいる。あだ名を぀けたのはお母さんだ。お母さんには、にんじんに倜の暗闇のなかをにわずり小屋の扉を閉めに行かせたり。おもらししたおしっこを朝食のスヌプに混ぜお飲たせたりする。だが、にんじんは母芪の意地悪にも負けず成長しおゆく。』新朮文庫

悲しいこずに原䜜を読んでも救いはなかった。子䟛の頃は気づかないが、䞖の䞭に実は児童虐埅はあふれおいる。信じられなかった母芪像が、そこかしこにあるこずに気づく。悲しい話であるが、それでも今も児童曞にするのはどうかしらず思うものである。

 

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第8倜「雪囜 川端康成」

孊生の頃に読んだが、もう䞀床読みたくなった。有名な冒頭の出だしず、駒子ずいう名前ず火事の話だけ芚えおいお、ほかはすっかり忘れおしたっおいたからである。

『新緑の山あいの枩泉で、島村は駒子ずいう矎しい嚘に出䌚う。駒子の肌は陶噚のように癜く、唇はなめらかで、䞉味線が䞊手だった。その幎の暮れ、圌女に再び䌚うために、島村は汜車ぞず乗り蟌む。するず同じ車䞡にいた葉子ずいう嚘が気にかかり。葉子ず駒子の間には、ある぀ながりが隠されおいたのだ。培底した状況描写で日本的な「矎」を結晶化させた䞖界的名䜜。ノヌベル文孊賞察象䜜品。』新朮文庫

1968幎にノヌベル賞を受賞したが、話の内容は、僕にずっお䞍快に感じる郚分も。今の時代では受け入れられないだろう。この頃もそしお今も、日本ず蚀えば「サケ」「ゲむシャ」のたたなんだろう。それが日本の矎ず蚀えばそういう人も倚いだろうが、個人的には悲しく、嫌悪感がある䜜品。ず蚀いながらも。ちょうど読んだ埌だったので、昚幎の長岡の花火倧䌚の埌に、足を延ばしお塩沢玬蚘念通に行っおきたりした。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第7倜「人間倱栌 倪宰治」

若者で倪宰治のファンは倚い。僕の呚りでもそうだったのだが、友人の倚くは倪宰に傟倒しおも、それをい぀ぞや吊定しおさらに他の文孊ぞ進むのが䞀般的ず僕に指南しおいた。そしお、それは僕も同意しおいた。だから、「人間倱栌」は、読んではいたが、通過点ずいう気持ちの方が匷かったのかもしれない。

『「恥の倚い生涯を送っお来たした」。そんな身もふたもない告癜から男の手蚘は始たる。男は自分を停り、ひずを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「倱栌」の刀定を自らにくだす。でも、男が䞍圚になるず、圌を懐かしんで、ある女性は語るのだ。「ずおも玠盎で、よく気がきいお 神様みたいないい子でした」ず。ひずがひずずしお、ひずず生きる意味を問う。』新朮文庫

改めお読んで、もっず、倪宰治氏の䜜品に向き合っお深く考察を加えおもいいのではないかそれに足りうる䜜家だず思うようになった。

 

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第6倜「゚ヌ氏の遊園地 星新䞀」

星新䞀氏の䜜品は、ほずんど読んだず思う。孊生時代、友人ず貞し借りをしおいた。 ショヌトショヌトのSFで、どれを読んでも䌌たような感じがしおいた。「ボッコちゃん」「おヌいでおこい」などは僕の孊校ではなかったが教科曞にもあったような気がする。手軜に読めお『本を読んでたす』的なポヌズも取れるのでなんだか埗した気分に圓時はなっおいた。今回は僕が䞭孊生に戻ったくらいの感芚で、「゚ヌ氏の遊園地」を手に取った。

『卓抜なアむデアず奇想倩倖なナヌモアで、䞍思議な䞖界にあなたを招埅するショヌトショヌト31線』新朮文庫

昔読んだ時に感じた面癜さがあった。幎をずっおも人間はそう倉わるこずもなく、同じような感想を持぀ものだず実感した。でも、星新䞀氏の䜜品はたたに読むくらいがいいのかもず思う。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第5倜「さくらえび さくらももこ」

䞭孊高校時代、倏になれば「新朮文庫の100冊」が本屋を食り、必ず䜕冊かは読んでいた。2023幎倏は、青山ブックセンタヌぞ行き、䜕十幎ぶりかに新朮100冊文庫の䞖界に浞っおみた。そしお僕はプレミアずいう蚀葉に匱い。フェアにおいおプレミアカバヌの本が数冊あり、せっかくならプレミアカバヌの本にしようず「さくらえび」「゚ヌ氏の遊園地」「雪囜」「人間倱栌」の4぀を賌入した。

さくらももこ氏は、僕ずほが同䞖代で、ちびたるこちゃんのアニメで出おくる癟恵ちゃんや西城秀暹の話は共感したくりである。圌女が掻躍しおいるのが励たされる感じがしおいたが残念ながら若くしお逝去された。圌女の゚ッセむを読んだこずがあったが、ずおも面癜く今回も期埅しお読んだ。

『「さくらえび」さくらももこ氏が、線集長ずしお、取材・文章・挫画すべおを䞀人やった2000幎蚘念の奇跡の面癜雑誌「富士山」からの゚ッセむの抜粋。』新朮文庫

期埅が倧きすぎたせいか、以前のような読埌感はなかったが、同時代を生きおきたものずしお感慚深く読んだ。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第倜「あすなろ物語 井䞊靖」

カセットテヌプ圢匏のあすなろ物語の朗読が小孊校にあり、なぜか芚えおいないが鉄棒をしおいるシヌンの極䞀郚だけ、授業䞭に聎かされたこずがあった。そのこずを思い出し井䞊靖氏のやたんばならぬ「しろばんば」を読んだ勢いで「あすなろ物語」も読もうずなったのである。しろばんばの続きの話のような感芚で読んだ。

『倩城山麓の小さな村で祖母ずふたり土蔵で暮らしおいた鮎倪少幎が、倚感な青幎時代を経お新聞蚘者ずなり、終戊を迎えるたで。あすは檜になろうず念願しながら、氞遠に檜になれないずいう悲しい説話を背負ったあすなろの朚に蚗しお著者自身の詩ず真実を描く』

ひずかどの人物ずしお立身出䞖を倢芋る若者の話が出おくるが、自分の若いころを思い出す。そしおもちろんモブさんも檜になれずモブのたたである。

 

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第倜「小島盎蚘䌝蚘文孊党集1巻」

「遠い母」「ペヌロッパ旧婚旅行」「花よりワむン」

小島盎蚘先生1919幎 5月1日 – 2008幎 9月14日は僕の恩垫である。党集1巻のあずがきを読むず1986幎9月ずある。僕が小島先生の講座に参加し始めた時期なので、党集の配本ずずもに、先生に育おおいただいたのだず感じおいる。

第1巻は、「遠い母」「ペヌロッパ旧婚旅行」「花よりワむン」の䞉䜜が収められおいるが、この1巻だけは他の14巻ずは異質なものだ。ずいうのも、この3䜜は、小島先生の自分語りず蚀える䜜品で、䌝蚘䜜家がいわば自分の䌝蚘を曞いたずもいえる。もちろん圓時も読んでいたが、改めお読み盎すず、先生の息遣いが感じられお嬉しい。䌝蚘を通じおの授業であったが、合間合間に先生の過去の思い出をしっかり聞かせお頂いた。旧制犏岡高等孊校での話、倧孊進孊時の悩み、海軍での話等々である。たた、最近行かれたペヌロッパ旅行での話もたくさん聞いた。そうしたこずが、いっぱい詰たっおいるのがこの1巻である。

読みながら先生のこずが懐かしくおたたらない。䜕床読んでもいいものず感じた。

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第2倜「モモ ミヒャ゚ル・゚ンデ」

モモは、僕のフレヌムから倖にある存圚だった。それは叀兞ずは蚀えない海倖の児童曞だったこずが倧きい。日本文孊であれば、倧人になっお觊れる機䌚はあったろうし、日本の子䟛向けの話で定番なものは、い぀しか蚘憶に残るものだからだ。圓時叀兞ずは蚀えない海倖の子䟛向けの話は、そのタむミングで出䌚わなければ、恐らく出䌚える機䌚はない。

「モモ」の映画は有名であった。僕も映画のかなり挠然ずしたむメヌゞはある。だけど本圓は䞀床も芳たこずもなかった。それで、「モモ」ずいうのは名前だけ知っおはいるが僕からずっず倖れた気になる存圚だった。

「モモ」を読むにあたっお、邪道かもしれないが、たず映画を芋た。そしお、朗読を聎きながら本を読んだ。『町はずれの円圢劇堎あずにたよいこんだ䞍思議な少女モモ。町の人たちはモモに話を聞いおもらうず、幞犏な気持ちになるのでした。そこぞ「時間どろがう」の男たちの魔の手が忍び寄りたす。』

この本は児童向けだけど、倧人がい぀読んでもいい話だった。人生で足を止めおちょっず考える機䌚になるかも。そしお、物事の本質を芋誀らないようにしないずいけないず改めお思わせられる䜜品。

僕のむメヌゞどおりの内容で、意倖性もなくそのたたの期埅通りでした。これで、「モモ」も僕のフレヌム内に入っおしたいたした。

 

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする

第1倜「しろばんば 井䞊靖」

ノヌベル賞発衚の季節になるず村䞊春暹氏が、有力候補に挙げられお久しいが、僕が子䟛のころは、井䞊靖氏が毎床候補に挙げられおいた。たた、孊校からの掚薊で映画「倩平の甍」井䞊靖原䜜を芳お感動した蚘憶がある。井䞊靖は1907幎明治40幎生たれ で1991幎に亡くなっおいる。逝去されたずきこれでノヌベル賞は取れなくなったず残念に思ったものだ。

井䞊靖氏の自叙䌝である「しろばんば」は小孊校の頃そのタむトルを知っおいたが、怖い話に出おくる「やたんば」を連想させお子䟛心に怖い感情を抱き続けおいた。そしお、怖さ故心に残り、気になるものの読んではいなかったものだ。

『䌊豆の湯ヶ島の山村で、おぬい婆さんず二人で暮らす措䜜少幎の日々。豊かな自然ず耇雑な人間関係の䞭で措䜜少幎の心は育っおいきたす』

倧正時代の田舎の地域瀟䌚や人間関係、子䟛の䞖界の話が語られおいるが、僕も田舎で育ち、特に父の実家はさらに田舎の蟲村で癟姓をしおいるので、父の子䟛の頃の話を思い出しながら読み進んだ。

今からでは遠い昔の話であろうが僕には今なお近い感芚もあっおいろいろ共感させられた。僕も長らく東京に䜏み仕事をしおいるが、戻れない子䟛のころの田舎の蚘憶は愛おしく思える。

 

 

カテゎリヌ: 未分類 | コメントする