中学高校時代、夏になれば「新潮文庫の100冊」が本屋を飾り、必ず何冊かは読んでいた。2023年夏は、青山ブックセンターへ行き、何十年ぶりかに新潮100冊文庫の世界に浸ってみた。そして僕はプレミアという言葉に弱い。フェアにおいてプレミアカバーの本が数冊あり、せっかくならプレミアカバーの本にしようと「さくらえび」「エヌ氏の遊園地」「雪国」「人間失格」の4つを購入した。
さくらももこ氏は、僕とほぼ同世代で、ちびまるこちゃんのアニメで出てくる百恵ちゃんや西城秀樹の話は共感しまくりである。彼女が活躍しているのが励まされる感じがしていたが残念ながら若くして逝去された。彼女のエッセイを読んだことがあったが、とても面白く今回も期待して読んだ。
『「さくらえび」さくらももこ氏が、編集長として、取材・文章・漫画すべてを一人やった2000年記念の奇跡の面白雑誌「富士山」からのエッセイの抜粋。』(新潮文庫)
期待が大きすぎたせいか、以前のような読後感はなかったが、同時代を生きてきたものとして感慨深く読んだ。